約400時間かけて撮影した「星が誕生する場所」電気を消してゆっくりみたい
超精細な天の川銀河の画像を400時間かけて撮影した、幻想的な映像を紹介します。夜空にかかるものとはまるで別の姿。電気を消して、しばし銀河へと想いを馳せてみてはいかがでしょう?
星が生まれる場所は
こんなにも美しかった
北半球に位置する欧州では、当然ながら南天を観測することはできません。そのため、欧州諸国は共同で南天の観測を目的とした天文台(ヨーロッパ南天天文台・ESO)を、南米チリのアタカマ地方標高約5,000メートルの地点に設置し、これまで調査を実施してきました。
銀河系の星が生まれるエリアを広域で探査するプロジェクト「ATLASGAL」を続けてきたESOが、2016年2月に発表し話題となりました。
いま、七夕シーズンに改めて実際の夜空と見比べてみることで、直径12メートルのサブミリ波望遠鏡が捉えた天の川の様子は、肉眼で見えるそれとはまるで違っていることが分かるはず。
銀河に浮かぶ塵やガスの
分布図が完成した
この望遠鏡が捉えるのは、電波と赤外線の間とされるサブミリメートル波(波長が0.1〜1ミリ程度で周波数300〜3,000GHzの電波)という、超精細な世界。
これにより、銀河に浮かぶ塵やガスの分布を視認することに成功。これまで約10年に及ぶ調査結果をもとに、NASAや欧州宇宙機関(ESA)の観測データを統合させて、今回の分布図作成に至ったようです。
「地球が位置する銀河の中で、星が形成される範囲を初めて発見することができた。これでガスの塊の大きさなど、この領域の特徴についてさらなる研究が進められるだろう」、というESOの専門家Leonardo Testi氏の見解をCNNが報じています。
見上げた夜空にかかる天の川。その星と星のあいだ、肉眼で見ることができない何万光年はるか宇宙が、また少し解明されようとしています。
Reference:CNN
Licensed material used with permission by ESO