嫉妬や色欲。「やっかいな欲求」の正しい抑え方
キリスト教の「七つの大罪」を知っているでしょうか?人の根本にある欲望や感情を表していて、これを抑えこむことができないと、人は罪に導かれうるとされています。
しかし大事なのは、「大罪」とどう向き合い、何を学ぶか。そして罪に苛まれる人を、どのように支えるかということかもしれません。「The School of Life」の動画から、そのヒントを見つけてみましょう。
01.
傲慢
自信と誇りにあふれて、それをひけらかすような態度をとっている人は、一見、自分自身に満足しているように見えます。しかし実際そういう人たちは、「何か特別なことを成し遂げなければ自分は存在してはいけない」という強迫観念を抱えていることが多いです。
つまり自分の存在に自信がないから、その裏返しで過剰に自分を大きく見せようとしているのです。そんなことをせずとも、ありのままの自分に自信を持てるように、周囲の人が声をかけてあげることが必要です。
02.
嫉妬
嫉妬は元をたどれば、野心と謙虚な姿勢から生まれる感情だと言えます。自分自身に足りないものがあると自覚し、それを補おうとするあり方です。しかし他人に羨望するがあまり、冷静さを欠いて感情的になってしまうと、冷静な判断ができなくなり、その感情はマイナスなものとなります。
だからこそ、私たちが嫉妬の感情に苛まれたときは、相手にネガティブな感情を抱くのではなくて、自分の方向性を見定め、目標を達成するために何が必要かを理解することが必要です。
03.
憤怒
私たちが抱く怒りの感情自体には、ほとんど意味がないと言って良いでしょう。怒りはパニックと恐怖心から生まれるものです。
何かに強い憤りを感じたときに必要なのは、その根底にある恐怖に気付くこと。人は脆い生き物なので、怒りにまかせて感情を爆発させてしまいがちです。だから、まずは怒りの背景にある事情を冷静に見極めて、正しく理解することが大切です。
04.
暴食
暴食を繰り返してしまう人は、肉体的に飢えを感じているのではなく、実は愛情に飢えています。感情の満たされなさを、食欲を満たすことで補おうとしているのです。
そのため、暴食を解決するのに必要なのは適切なダイエット方法ではなく、優しさや愛情、誰かとの親密な関係性など、心を満たす何かであると言えるでしょう。過食は、私たちの精神的な栄養失調を象徴しているのです。
05.
色欲
誰かと性的な関係を結ぶことは、自分が誰かに受け入れられていると感じるのに最適な行為。性的な欲望を強く持つ人の心には常に孤独があり、エロティシズムが過剰であればあるほど、そこに強い愛情があると錯覚してしまいます。
性欲は生物として生まれてきた以上、誰もが持っている大切な欲望です。だからこそ、厄介で複雑なこの感情を、私たちは正しく理解して扱う必要があります。
06.
怠惰
怠惰というのは本当に恐ろしい感情です。これに負けてしまうと、侮辱されたり、仕事が進まなかったり、成功するチャンスを逃してしまったりもします。
まだ準備ができていない。もしかしたら誰かに笑われるかもしれない。失敗が怖い。こういう感情が、怠惰の裏には存在するかもしれません。しかし、「何もしていない」ということが一番の恐怖で絶望的な状況であるということに気付いて、動き始めなければなりません。
07.
貪欲
与えられたもの以上を欲する心は、貧しい感情から生まれるものです。周りの人と比べて不安が募り、その焦りからなるべく多くのものを自分の懐に入れようと必死になります。
その不安感を取り除き、自分の手の中にあるものを今一度しっかり見つめ直すことが大切です。
私たちの持つ「罪」は悪とは異なり、満たされない心の裏返しとして出てくる感情だと言えます。恐れることなく自分の弱さと向き合い、自分が必要としているものを見極めるようにしましょう。
そして罪に苛まれる人に対しては批判の目を向けるのではなく、愛情を持って温かい支援をし、その人が本当に必要としているものを突き止めてあげましょう。