手間暇かけた3Dアートは、「謎」が解けてからがおもしろい。

最初はいまひとつ「ピンとこない」作品も、二度三度と目にしていくうちに“真実の姿”が見えてくる。こうなると、途端に強く惹かれたり、感動したりすることがあります。

ここに紹介する作品にも、そんなアートの醍醐味が。

ヒント
「磁石にくっつくアレ」

一見すれば、加工ソフトで手を加えたように映りますが、これらは意外なアレが集まってできたもの。よーく考えてみてください。

答えは…
10,000本の「ネジ」

これらはすべて電動ドライバーを使って、木製パネルに固定して製作されたもの。磁石に引き寄せられる上の作品『screw art』に使用されているのは、じつに10,000本のネジ。

しかし、スゴイのはそれだけじゃありません。もとは、黒いネジを使っているので、色を塗ってない段階ではあまり立体的に見えないのです。なので、一本一本をオイルペイントするという、なんとも気が遠くなる作業の末に完成しています。

この巧みなワザの持ち主は、Andrew Myersさんというアーティスト。彼が作るのは、「視覚」だけの驚きではありません。

触れて「見る」肖像画

一年程前に多くのメディアで取り上げられていたので、知っている人も多いはず。作品の横に立つGeorge Wurtzelさんは、盲目でありながら、アーティストとして活動しています。

友人であるAndrewさんは、ネジで作った肖像画を彼に贈りました。Georgeさんは、完成後は顔の凹凸を手で触り、自分の「顔」を感じることができたのです。

その時の様子は、下の動画から見ることができます。

冷たくて無機質な工業製品に命を吹き込むようなアート。謎が解けた後は、知る前よりもずっと心が満たされたように感じます。

Licensed material used with permission by Andrew Myers
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。