トップクラスの大学に入っても、人生で成功しない理由。
日本社会では、未だに「頭のいい大学に行けば、人生がうまくいく」という考えがあるのではないでしょうか。世界規模で見れば有数の学歴社会、なんて声も。
だけど、このシステム、僕たちの人生にどのくらい影響するのでしょうか。あくまでもアメリカの話ですが、「Asap Science」の動画の解説は、日本に通じるものもあります。
内容は大学の話がメインでも、就職、転職を考えている人にも当てはまる内容ですよ。
頭の良い大学に行っても
ネガティブになるだけ?
小学校や中学校、高校では、「勉強を一生懸命しなさい、そうすれば良い大学に入れて、成功しますよ」と言われるでしょう。でも、通うことになった大学はどれくらい、僕たちの人生に影響するのでしょうか?
800の学校から割り出したSATスコア(アメリカの大学進学を希望する人が受ける共通試験)の平均を見てみましょう。高得点者たちは、50%以上が卒業。そして、低い点数を取った人たちは、だいたい18%が卒業をします。納得できる結果ですよね。
では、トップクラスのハーバード大学の統計をご覧ください。彼らの点数は、最低レベルの得点でも、平均の高得点者たちを上回っています。だけど、卒業をした人たちの割合でみれば。ほぼ一緒なのです。
先の現象は、小さな池の大きな魚効果(Big Fish Little Pond Effect)として知られています。僕たちは、無意識のうちに同じくらいのレベルの人と比べているのです。
その結果、頭の良い大学に行った人は、自分のことを周りの知識のある人たちと比べます。そして、半分よりも下のレベルにいると気づくと、ネガティブな感情を覚えるのです。それ以外の学校や生徒と比べたら、上位層にいるにもかかわらず。
アメリカの大学でSTEM教育(科学、技術、工学、数学の教育分野の総称)を専攻する学生は、最初の2年までに50%も辞めてしまいます。だけど、平均よりもSATスコアが10ポイント下がるごとに、卒業率は2%も上昇。
つまり、頭の良い大学に行っていない人ほど、学位をもらう人が多いという結果に。
大学を卒業してから6年間で、出版物を出した経済学者の割合を算出した研究をみてみましょう。
アメリカの上位大学5校における、トップクラスの成績優秀者は、やはり優れた結果を出しています。が、上位4分の1で見てみると、その結果はあまり良くありませんでした。逆に、ランクの低い30の大学の成績優秀者たちの数字は、先の上位4分の1の人たちよりも優っていたのです。
結果は、環境と周りの人たちは成績に影響するということ。
もちろん、前述のことを理由に頭の良い大学に行くなとは言えません。トップクラスの大学の学位を持っているということは誇りになるし、仕事を探すときに、採用面接に受かりやすいでしょう。ただし、“卒業できたら”の話。
だから、大学や会社などを選ぶときに覚えておいてほしいのは、成功するかしないかは入ってからじゃないと分からないということ。自分に自信を持って、小さい池の大きな魚になる方法も1つです。