世界初!?70年以上前のディズニー「性教育アニメ」
生理の問題をテーマに扱っていることで注目を集めているディズニー最新作『私ときどきレッサーパンダ』(Disney+で配信中)。
近年の性教育のありかたに対する関心の高まりを思えば、これもごく自然な流れと言えるわけだが、じつはもっともっと昔、ディズニーが生理を題材としたアニメーションを制作していたのをご存知だろうか?
第二次世界大戦の只中に制作され、1946年に公開された『The Story of Menstruation(月経の物語)』。
当時のディズニーが生み出した約10分の短編アニメーション映画で、生理用品メーカー「セロ・コットン・カンパニー(現キンバリー・クラーク)」とコラボしてつくられたもの。
アニメとはいえ、婦人科医が監修にあたり科学的な見地に基づいた内容となるよう、随所に配慮がうかがえる。
映画はクラシックなBGMにまるでディズニープリンセスの登場を待つような、おなじみの耳に心地いいナレーターの声で始まる。
かわいい赤ん坊が登場したり、タッチはいかにもディズニーらしいキュートなアニメーション。けれど内容は「性教育」そのもの。ホルモンの変化から月経のはじまりなどが、ていねいに解説されていく。
終盤「すべてはサイクル。月経は何もおかしなことではない」「規則正しい生活を送れば、なにも怖くない」といったメッセージが。
仕組みだけでなく、生理を迎える女の子に向けたこうした前向きなアドバイスは、いま観ても共感を覚える。
これは、思春期に観たかった!
なお、同アニメーションは学校教材としても上映されたようで、のべ105万人ほどのアメリカ人学生が視聴したそう。
さらに上映後には、月経に関する学生たちのギモンを解消する冊子『Very personally yours(とっても大切なあなたへ)』が配布されたという。
上の画像を見て欲しい。「生理中でもお風呂に入ってもいい」そんなアドバイスが書かれている。
ためになるアニメ、そしてリーフレットでアフターケア。現代でも必要とされる性教育の事例。それもディズニーによるものというんだから驚きじゃないか。
まずは、『月経のものがたり』そして『私ときどきレッサーパンダ』を。過去と現在の2作品を観くらべてみてはいかがだろう。