“懐かしくて新しい”モチベ維持法。TikTokで大トレンドの「パンチカードご褒美システム」って?

目標を達成するための方法は多種多様であるが、最近「パンチカード」を使った自己管理法がTikTokで急速に人気を集めている。

この方法は、個々の目標をカード上で管理し、達成するごとに穴を開けることで、可視化された進捗を実感できるというもの。

この手法は、アナログな方法でありながら、習慣形成やモチベーション向上に大きな影響を与えるとされる。TikTok上では「Punch Card Reward System」のトピック名ともに、数多くのユーザーが独自のパンチカードを披露している。

心理学的観点からの効果

パンチカード方式の利点として、心理学的にもその有効性が支持されている。

臨床社会福祉士のヴィクトリア・スミス氏は、『Bustle』の記事にて「パンチカードは単なるTo-Doリストとは異なり、穴を開けるという物理的な行動が達成感を伴い、モチベーションの強化につながる」と指摘する。

また、米国心理学会(APA)による研究では、目標達成のために「小さなステップに分解すること」が有効であることが示されており、この手法はその原則に合致している。

さらに、報酬を組み合わせることで、行動心理学に基づく「オペラント条件付け」の理論が働き、長期的な習慣化が促される。報酬が可視化されることで、モチベーションの持続が容易になる点も、この手法の大きな利点だ。

© emiliamariehome/TikTok

TikTokでの広がりと実例

TikTokユーザーの@emiliamariehomeは、友人とともに「パンチパーティー」と称する集まりを開き、それぞれが異なる目標を掲げたパンチカードを作成した。たとえば、写真撮影技術を向上させるために「4回の写真講座受講ごとに新しい機材を購入する」、または「10回のデート達成ごとにご褒美としてクロワッサンを楽しむ」といった具体的な目標を設定するケースが見られた。

このような形式は、目標達成のプロセスを楽しみながら進めることができ、仲間同士で共有することでモチベーション維持の効果も期待できる。

デジタルツールとの比較

近年、多くのデジタル習慣追跡アプリが登場しているが、パンチカード方式はあえてアナログな方法を採用することで、デジタル疲れを軽減し、行動を物理的に実感することができる点が特徴である。

デジタルツールは手軽だが、無機質で達成感を得にくい面もある。

その点、パンチカードは目標達成までのプロセスを「物理的に視覚化」しておけるのが魅力。さらに、穴を開けるという行為を通して、達成感をより「明確に実感」できるのだ。

また、先ほど紹介した「パンチパーティー」のように、友人と目標を共有し互いに励まし合うことで、楽しさをより感じながら継続率の向上が期待できるだろう。

TikTok発の「パンチカード目標達成法」は、視覚化と報酬システムを組み合わせることで、モチベーション向上に大きな効果をもたらす。科学的な根拠にも基づき、目標設定の新たなアプローチとして広がりを見せている。

デジタル管理ツールが主流となる現代において、アナログな方法が再評価される理由は、そのシンプルさと達成感の実感にある。目標達成の新たな手段として、この手法を活用する価値は十分にあるだろう。

Top image: © fstop123/iStock
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。