店員の声が全く聞こえない「静かなスターバックス」が注目を浴びるワケ
マレーシアのクアラルンプールにある、スターバックス。コーヒーの豊かな香り、一杯ずつバリスタが淹れる光景、一見普通の店舗と同じように見えるかもしれませんが、カウンターに行くと、いつもとの「違い」に気がつくでしょう。
スタッフ13人のうちじつは10人が…
ショッピングモール内にあるこの店舗はなんと、働いているスタッフ13人中10人が「聴覚障がい」を持っているんです。注文を確認する際にも「手話」を使い、彼らのエプロンにも手話で「スターバックス」の文字がプリントされています。
手話ができないスタッフもトレーニングを受けることで、聴覚障がいがあるお客さんにもしっかりと対応可能。通常のゲストのオーダーはメニューカードに記入し、ドリンクが出来上がるとスクリーンに番号が表示されるという仕組みなのだそう。
これはスターバックスとしても世界的に初の試みで、The Society of Interpreters for the Deaf(聴覚障がい者のための通訳の会)の協力のもと、彼らに平等な雇用機会を与える専門店としてオープンしているのだそう。
夢はストアマネージャー
最近シフトマネージャーに昇格したばかりだというMohammad Aizad Bin Ariffinさんは、こう語ります。
「私は、3年前にバリスタとして入社しました。夢はマレーシアのスターバックスとして初の、聴覚障がいを持ったストアマネージャーになることです。そんな私の夢に共感してくれること、また他の聴覚障がいを持った従業員たちの成長を支援してくれること、とても信じられない気持ちでいっぱいです」
本国アメリカにおいても、焙煎工場や流通センターで積極的に障がい者雇用を行うなど、「働きやすい環境」として高い評価を受けるスターバックス。このマレーシアの第一歩をきっかけに、さらなる雇用支援を続けていくとのこと。