どっちがイイの?「内向的な性格 vs 外交的な性格」
よく話題に上がる、外向的な性格と内向的な性格の比較。いろいろな説やコラムがありますが、一体どちらがイイのでしょう。また、性格は成長過程や、生活していく上で変えていくことができるものなのでしょうか。
ここでは、「外向的と内向的」について科学的に説明した、1本の動画を紹介したいと思います。
外か内かは
脳の「覚醒水準」のちがい?
外向型、内向型という性格分類はスイスの心理学者、カール・グスタフ・ユングによって初めてタイプ分けされました。さらに、ドイツの心理学者ハンス・アイゼンクは、ユングのタイプ論を脳の覚醒水準(脳の活動の速度と容量)のちがいに注目して、外向性、内向性として定義づけしました。
アイゼンクによれば外向的な人は脳の覚醒水準が低い状態にあるため、心理的、身体的に刺激を与えられる興奮を求め、内向的な人は、興奮が少なくても満たされやすくなっているとか。
たとえば内向的な人は公園でのサイクリングで満たされますが、外向的な人はダートコースにチャレンジぐらいしないと満足感が得られない、という仮説です。
内向的な人は心配性
外向的な人はハマり性
脳をスキャンしてみると内向的な人は外向的な人より前頭前野皮質が厚くなっているそうです。
「前頭前野皮質」は、深い思考や計画立案などを司るところ。一方で外向的な人は衝動的に行動する傾向があります。反面、内向的な人には考えすぎるあまりに疑い深く、心配性だったり、気が沈みがちになる面もあるのです。
またコンピューターをつかったギャンブルでは、外向的な人の脳は、報酬系の神経伝達物質「ドーパミン」の働きが活発になるのだとか。
たとえば、外向的な人にとってのビギナーズラックは、その後ギャンブル依存になってしまうきっかけにも。
両者に写真を見せたとき
どんなちがいがある?
人間は社会的な生き物です。ゆえに、ドーパミンは人間同士の関わりでも放出されます。人間同士の関係に心地良さを感じるのは、その昔、人との信頼関係が狩りや侵入者から身を守る上で、とても重要な役割を果たしていたから。
もちろんそれは、外向的な人、内向な人、両方に大きな影響があります。
外向的な人の脳は、ある写真を見せたとき、風景よりも人の顔に強い反応を示します。一方で内向的な人は、風景と人の顔で反応にちがいが出ません。
これは、内向的な人が「人と関わるのがキライだ」ということを示しているわけではなく、彼らが満足感を得るために、社会的な刺激がそれほど必要ではない、というだけなのです。
進化の過程を見れば
両者に利点がある
たとえば内向的な人が侵入者からの防衛に優れていたのに対し、外向的な人はたくさんの食べ物を得るために探索へ出たり、ハンティング能力に優れていました。
130人を被験者にした研究では、外向的な人には特徴的な対立的遺伝子がある、という結果が出たそうです。性格的な特徴には、少なからず遺伝子が関係しているということでしょう。
それでも現代社会では
外向的な人が評価されやすい…
多くの場合、社会では外向的であることを求められます。学校や職場でのグループワークなどでは、チームのなかで自分の意見を出すことでクリエイティブなアイデアが生まれるとされていますが、必ずしもそれが成功を導くわけではありません。
人間は社会的な動物であるからこそ、集団になると無意識に人の意見を迎合しやすくなってしまうからです。
「内向的なのに演説が得意」
とは?
シャイで、独りでいることが好きだと思われがちな内向的な人ですが、実際は少人数の人と深く付き合うことを好む人たち、というだけ。
内向的な人のなかには、じつは演説が得意な人も多いそうです。外向的な人が決断力に優れているのに対し、内向的な人は自分の考えをまとめるため、決断に至る過程を丁寧に説明できるからです。
バランスのいい
「両向型」の人もいる
両向型は、内向と外向のどちらの性質もバランスよく兼ね備えた人のこと。3ヶ月にわたって340人のコールセールススタッフの売り上げを調査したところ、外向性、内向性の傾向が強いスタッフは1時間に平均138ドルだったのに比べ、両向型の人は208ドルだったのだとか。