もしも、人種や宗教以外の共通点で「グルーピング」したら…。1本の動画が伝えるメッセージ
人種、宗教、性別、セクシャリティ。世界では未だに、そういったラベルによって人々が判断されてしまうという現実があります。築かれる壁、深まる断絶、広がる悲しみ...グローバル化の進んだ先に私たちが望んだのは、そんな世界だったでしょうか?
そんななか、デンマークのテレビ局「TV 2」のプロモーション動画が、大きな話題となっています。政治的な意図は含まれていないとのことですが、昨今の世界情勢と相まってか、たくさんの人の共感を呼びました。
「ラベル」で分けられた人々
まず初めに、「ラベル」毎に人々をグルーピングします。
地方で暮らす大人たちに、
都会育ちの子どもたち。
移民たちに、
先祖代々デンマークに住んでいる人々。
職業や宗教などによって「ラベル分け」された人々。そんな彼らに、司会者は呼びかけます。
「ようこそ。今から皆さんに、いくつか質問をします。もしかすると、少しパーソナルな問いもあるかもしれません。でもみなさん、ぜひ正直に答えてくださいね」
一体どんなグループが
できたのか?
司会者の質問に当てはまる人は、前に出てきて集まるようにと指示されました。いったい、どんなグループができたのでしょう。
クラスの人気者だった人。
失恋した人。
UFOを見たことがある人(!)
いじめられたことがある人。つらい過去を思い出しているのか、暗い面持ち。
いじめをしたことがある人。その表情に滲むのは、後悔でしょうか。
生きる意味を見つけた人。
バイセクシャルの人。
彼がたったひとり歩み出たときには、自然と拍手が巻き起こりました。
そして、
全員に当てはまるのは...
デンマークを愛している人。
デンマークというひとつの国でも、いろいろな人がいることがわかります。ラベルによって人を分類し、「“僕たち”と“彼ら”は違うから」と判断するのは簡単です。でも、年齢も性別も人種も住む場所も収入まで異なっていたとしても、いろいろなことを経験しながら生きているという意味では「私たちはみな同じ」なのです。
自分とは全然違うと思っている人でも、何かしらの共通点は、きっとあるはず。多様な人たちが、お互いを尊重し、共感し合いながら助け合う社会。そんな未来こそが、私たちの望んだ未来ではないでしょうか。