「日産」と「バンダイ」、共通点はなんでしょう?
車の「情報提示音」にどんな印象をお持ちだろうか?
シートベルトの締め忘れ、ライトの消し忘れ、キーを車外に持ち出してしまったときなどに鳴る、あのブザー音。
機能や性能は日進月歩で向上するが、情報提示音はどうだ? 新たなモビリティ社会に向けて、人と車のあり方が見直されるいま、無機質なあの音のままで良いわけがない。
そうした思いがきっと「日産」にもあったに違いない。新たな情報提示音の創造に協力を持ちかけたのは、あの「バンダイナムコ」だった。より高級感があり、高品質な音にするため。
それにつけても……車の情報提示音に高級感? まさかゲーム音? じつは、ここにある共通点が。
「バンダイナムコ」のサウンドエンジニア高橋みなも氏によると、ゲームサウンドのデザインは大きく分けて2種類。ひとつは世界観とマッチした、ストーリー性を演出するための演出的なサウンド。そしてもうひとつが、機能的な側面を持ったサウンドだ。
高橋氏いわく、車という“演出された空間”の中で、操作や危険などを機能として知らせる“機能的な”サウンドをつくることは、ゲームサウンドのデザインと近いものがあるんだそう。
あの無機質なブザー音にとって変わる新たなサウンドは、メロディーを感じる温かみのある音。従来の車内音にはなかったアミューズメント性が加えられた革新的なものに。
素早く情報を受け入れつつも焦らせることない。そして、高品質な車の雰囲気や世界観を損なわないサウンド。それがゲーム会社が出した答えだった。
新しい情報提示音は新型「ノート」、米国の新型「ローグ」と「パスファインダー」、欧州の新型「キャシュカイ」をはじめ、今後の新車両に搭載されていく予定だという。
車とゲームという異なる2業種を結びつけた、“音”という意外な共通項。革新を続けるトップ企業のアイデアに脱帽だ。
なお、以下の動画の中で、従来の音と新サウンドとを聴き比べることができる。(1:57から2:32あたり)