「神は急いでおられない」──そう語ったガウディと「サグラダ・ファミリア」の数奇な運命

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

「サグラダ・ファミリア」着工

建築やアートといったジャンルに興味がなくても、おそらく多くの人が見聞きしたことのあるだろう、世界的な建築物のひとつ「サグラダ・ファミリア」。

ほぼすべてが曲線で構成される“ゴシックモダニズム様式”と呼ばれる複雑なデザインと構造、そしてその規格外の大きさから、完成まで300年以上かかるといわれていたスペインはバルセロナの市街地にそびえる教会は、2005年、建築途中でありながらも、「ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)」によって世界遺産に認定されました。

140年前(1882年)の今日3月19日は、そんなサグラダ・ファミリアが着工された日です。

手がけたのは、生前、数々の有名建築を手がけたアントニ・ガウディ。

件の大教会を含め、なんと設計した7つもの建築物が他に例をみない「アントニ・ガウディの作品群」と個人名を冠して世界遺産登録されているほどの天才です。

が、そもそもこのサグラダ・ファミリア、最初に設計を担当したのは別の人物だったことをご存知ですか?

その人物とは、フランシスコ・ビリャール。スペインの建築家です。

ビリャールはスペインの首都の中心部に建設されるチャーチの設計を無償で請け負いますが、施主との意見の対立により建築計画から離脱。二代目の設計士として依頼されたのがガウディだったのです。

ガウディは、前任者・ビリャールが考案したデザインをほぼゼロから再構築し、18の塔で構成され、最高部で170mを超える巨大構造物を設計したのでした。

着工から1年ほどで重要な役目を担う設計担当者が交代し、その後も資金難や内戦による設計図の焼失などにより幾度にもわたり頓挫した、決して一筋縄では進まなかったサグラダ・ファミリアの建立。

設計や建築技術の革新的な進化により、ガウディ没後100年の節目である2026年に完成が予定されていた大社殿でしたが、新型コロナのパンデミックにより観光収入が激減。さらには建築従事者の不足により、その完成時期が“未定”となった今、教会へと向かう途中、路面電車にはねられて命を落とした建築界の巨人・ガウディのこの言葉が、あらためて深い意味をもつように思うのですが、いかがですか?

「神は急いでおられない。焦らなくていい」

© Basílica de la Sagrada Família/YouTube
Top image: © iStock.com/dem10
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。