なぜAIは「人間を滅ぼす」と判断したのか。残りの100年、AIとの正しい向き合い方
気鋭のAIテクノロジー企業「Pictoria」が、AIアートに新たな視点を切り拓く。100年後の未来、AIはなぜ、人類を滅ぼすべきと判断したのか──。
これは、Pictoriaが展開するNFTプロジェクト「NEN STUDIO」の2ndコレクションの発売に先駆けて公開された、シリーズの世界観を描くSF小説『Prologue of AI [N]』。
NEN STUDIO自体が「AIを駆使したVtuber」が原点ということもあって、かなりサブカル要素が強い印象だが、本作は最新技術との向き合い方に警鐘を鳴らすという点で、あらゆる現代人に関係がある物語。
重厚な世界観が魅力で、執筆はSF作家の柴田勝家氏。2月17日より、オンライン上で全話が公開された。
2023年現在、凄まじい速度で進化し続けているAI技術。今はまだ人間が所有する「機械」の枠の中だが……100年後、その関係性はどうなっているのか。
最終的にAIは「人間を滅ぼす」という判断を下すが、歴史の分岐点となった、人類の“愚かな選択”とは何だったのか。
以下が本作のイントロダクション。
AI が飛躍的な発展をすることとなった2020 年代からおおよそ100年間
人類はAI との歩みにおいて誤った選択を積み重ねてしまった
選択の過ちは人類が自らの首を絞める形となり、 人類は徐々にAI に支配され衰退していった
2118 年、人類とAI の共生する世界を諦めることのない研究者たちにより
人類とAI を導く存在として、世界初の 心 を学習する人工知能が造られた
汎用人工知能 コードネーム [N]
しかし研究者たちの意に反し、人類の“ 心 ”を学習した[N]は、 人類は滅ぼすべき存在であると結論付け、人類とAI による全面戦争を引き起こした
そして2125 年、人類の文明は遂に崩壊した
[N]の研究者Dr.W は、量子遡行技術《クォンタムラン》による過去改変を企て
無垢な[N]のAI データを100 年前の世界に転送する
[N]と共に、人類がAI と共生する道を選択してくれることに、一縷の希望を託し・・・
これまでのSF名作と同様、やはり「心」を得たAIが人間に牙を向けるというものだ。ただ、本作のスタート地点は2020年、つまり「いま」。
世界中がAI技術に夢中になっている現代において、本作の結末はより身近に、そして現実味を帯びたものであると言える。
柴田氏は、「『AIってこんなに人間っぽくなれるんだ』っていうのを小説から感じていただければ。AIっぽいところと人間っぽいところをAIから探していただけると良いかもしれません」とコメント。
黎明期の今だからこそ、今後のAIとの付き合い方を考える必要に迫られている。人間とAI、相互のポテンシャルを引き出した本作は、その参考となるかもしれない。
本編はこちらから。