もはや一流料理。滝のように溢れ出るZ世代の「ラーメンハック」
発売から50年以上経った今もなお、身近な存在として親しまれているインスタントラーメン。しかし、単なる「手軽な食事」と捉えるのはもう時代遅れかもしれない。
いま、Z世代を中心にインスタントラーメンを個性的にアレンジし、まるで高級レストランの一品のように“進化”させるムーブメントが起きている!
「#ラーメンハック」が席巻
Z世代のインスタントラーメン愛
Z世代はインスタントラーメンを高級食材やこだわりの調味料でアップグレードし、写真映えも意識した一品に仕上げている。こう報じるのは、「The New York Post」。
TikTokでは「#ramenhacks」というハッシュタグがついた動画が2万2000件以上も投稿されており、その人気ぶりは確かなようだ。例えば、シンプルなラーメンの上に炒めた椎茸やマヨネーズ、メープルシロップを加えることで高級に変身させたり(?)、ラー油やスパイスで辛味を加えてみたり。どこまでも自分好みの味に仕上げられるため、そのアレンジ方法はまさに十人十色。
彼らにとってインスタントラーメンは、単なる食事ではなく創造力を刺激する「食のキャンバス」と言えるのかもしれない。
定番の味を自分だけの傑作に
進む、食のパーソナライズ化
「インスタントラーメンは、もはや安くて手軽なだけの食事ではなくなった」とは、英ケータリング会社「Harper Fine Dining」でシェフを務める、Dean Harper氏の言葉だ。言葉のとおり、このトレンドはたんなるインスタントラーメンのアレンジに留まらず、Z世代の食に対する意識の変化を色濃く反映している。既存の価値観にとらわれず、自分自身の好みや価値観を大切にする彼らは、食事においてもただ空腹を満たすだけではなく、美味しさや見た目、栄養バランス、そして「インスタ映え」までをも追求する。「#ramenhacks」は、そんな彼らにとって個性を表現し、食を楽しむための最適なツールなのではないだろうか。
そう考えると、この動きは日本のインスタントラーメン業界にとっても大きなチャンスとなり得る可能性も。世界に誇るインスタントラーメンは、言わずもがな味のバリエーションも豊富、名店の味を高解像度で表現したものも。そこに今回のトレンドの波が加われば、更なる市場拡大が見込めるかもしれない。
「安くて美味しい」だけでなく、「自分好みにアレンジできる楽しさ」をプラスすることで、日本のインスタントラーメンは世界中のZ世代を虜にする可能性を十分に秘めている。
👀GenZ's Eye👀
インスタントラーメンを自分なりのアレンジで食べることは昔からあったことのように思えるけど、それがSNSによってひとつの“カルチャー”へ変化しているとは驚き。
世界的な物価高が続くこの時代、高級な味をたくさん知っている人より、手が届く食材を最大限に楽しめる人が「foodie(フーディー)」の称号を得ていくのかも。