GoogleがNYに5日間限定で多国籍レストランをオープン。そこで活躍したのが・・・

マンハッタンのロウワー・イースト・サイドに登場したポップアップレストラン。お客のほとんどがスマホを片手に料理を楽しんでいます。Instagram投稿用にパシャパシャ撮影のためかといえば、さにあらず。じつは、こんな使い方をしていたんです。

「Google翻訳」を使って
メニューを解読

このポップアップレストランにやってきた多くのお客たちが、まず初めにすること。それが「Google検索」の機能を用いてメニューを解読することです。そこにはトルコ語、インドネシア語、韓国語、フランス語、スペイン語、中国語など多国籍の言語が。

その国の生まれ、もしくは言語を学んだ人ならば理解はできるでしょう。でも、ほとんどの人には読解不可能。そこでGoogle検索やカメラで撮影して検索する「Googleゴーグル」が生きる訳です。

では、なぜこんな面倒な思いをしてまで注文するか?それは、このレストランが『食べ物は世界共通言語』をスローガンに掲げ、各国を代表するNYの料理人たちが国境を越えた新しい料理を提案する店だから。そして、お客は料理を介してそれぞれの文化を共有しあうことが目的。その“橋渡し役”となるのがGoogle翻訳アプリだった。

それゆえ、このレストランではナイフやフォーク、グラスを手にする前に、まずはスマホに手が伸びる人が多かったのです。

国籍もジャンルも超えて
NYのシェフ18人が集結

イベントに参加したシェフは総勢18人。「Condé Nast Traveler」によると、ニューベストレストランに選ばれた「Cecil」のオーナーシェフJJ Johnsonをはじめ、ノリータ地区の人気店「Balaboota」のシェフEinat Admonyなど、NYの最旬シェフが一堂に介し、ちょっとしたフードイベントのようだったそう。また、それぞれのシェフたちも、マンハッタンで今評判の腕利き料理人とのコラボレーションに興奮気味だったとか。

「だって、自分たちのレストランで提供している味じゃなく、ここでは互いにアイデアを出し合いながらまったく新しい料理を一から作りあげていくんだから。リスクやストレスもなく、ただ通り一辺倒の味を生み出すなんて面白くない。こんなチャンス2度とないからね」とは、参加者の一人Danny Bowienの談。

料理のジャンルは違えど、そこはトップシェフ。彼らのチームはアイルランド、韓国、北欧の料理を融合した、誰も聞いたことのない見たことのない料理を生み出していきました。

料理が言語となり
人も世界もつなげていく

単に「食べる」という目的だけじゃなく、レストランで振舞われた料理は、異なる文化を持つ人と人とをつなげていく、いわばコミュニケーションツールとして機能しました。料理を介してお互いの食文化に、価値観に触れ合うコミュニティスペースとして大盛況の5日間。ちなみに3つのコース料理はすべてタダ。さすがGoogle太っ腹!案の定、予約も一瞬のうちに埋まってしまったんだとか。

JJ Johnsonは言います。「食は言語であり、世界をひとつにつなぐもの。自分がどこにいるかなんて関係ないんだ。料理はお皿の上に文化も、歴史も、すべて表現することができるからね」と。

Google翻訳リリース10周年
食と言語の共通点をリンク

さて、最後にどうしてGoogleが今回このイベントを企画したかということについて。2016年はGoogle翻訳がリリースされてから、ちょうど10年目だそうです。いわばそのお祝いイベントだったというオチ。

テキストだけでなく、今では音声で、カメラ機能を使って、とますます便利になる翻訳機能ですが、もちろん海外で現地のローカルレストランに飛び込んで、まったく解読不可能なメニューを身振り手振りでオーダーするのも、旅の醍醐味のひとつ。それでも、こうした翻訳サービスの向上で旅の仕方が、ちょっとずつ変わってきている気がしませんか?

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TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。