摂食障害の女性を「ファッション」から応援するプロジェクト

アメリカでは約2,000万人の女性が摂食障害に苦しんでいて、女性の約200人に1人が拒食症、100人に1人が過食症だと言われています。

摂食障害の治療は道のりが長く、治療費も高額です。そんな女性たちを救いたいと、少し変わった視点から支援を行っている団体があります。

それは「サイズの書かれていない服を送る」というもの。

治療の一歩は
「体重やサイズを見ない」こと

プロジェクトの中心となっているのは、自身も摂食障害で苦しんだというErinさん。

過食と拒食を繰り返すうちに、彼女のクローゼットは着られない服でいっぱいになってしまったのだそう。

「でも、治療費が高額だから新しい服も買えないし、そもそもお店で服を選ぶのが苦痛だったの」

服屋へ行けば、当然すべての服がサイズで分けられています。さらにたくさんの鏡に囲まれて、自分の今の体型と服のサイズが明らかにされてしまいます。

摂食障害の治療の第一歩は、自分の体重や服のサイズを見ないようにすること。新しい服を買おうと思うと、それができなくなってしまうのです。

サイズが
書かれていない服を

「自分と同じように苦しんでいる女性は、たくさんいるに違いない」と思ったErinさんが立ち上げたのが「Garment Project」。

摂食障害の治療を受けている女性が対象で、その治療を担当している医療機関がGarmentに女性の現在の体型などの情報を登録。Garmentは、その情報を元にTシャツやジーンズ、下着などの基本アイテムを送ります。ちなみに服は、すべて寄付された新品。

その後、登録された女性の好みやファッションのテイストに合わせた服をGarmentがピックアップし、専用ページに載せます。女性はその中から自由に着たい服を選ぶことができ、選んだ服は直接女性の自宅へと送られます。

さらに、気に入らなかった服はいつでも返品OK。着払いの箱に入れて返送できます。

重要なのは、服についているタグなどのサイズの情報が、すべて取り除かれていること。サイズを気にせず、好きな服を着ることができ、治療に専念できるのです。

「自分が自分らしくいられる服を選んで欲しい」という気持ちから始まったこのプロジェクト。摂食障害に苦しむ女性を救う新しい支援として、今後の広がりが期待されます。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。