世界で初めて「性別不明」と認められた赤ちゃん(カナダ)
近い将来、出生証明書・パスポート・運転免許証などすべての公的身分証明書から、ジェンダー欄が消える日が来るのかもしれない。
6月30日にカナダのブリティッシュ・コロンビア州政府が、「性別不明」と記載した保険証を発行した。もちろん、世界初の出来事だ。
人の性別を決めるのは、医師ですか?
![「性別不明」と認められた赤ちゃん](https://d3jks39y9qw246.cloudfront.net/medium/102697/3ca68de604dd4584bb10fd514a6dbfb123a3676a.png)
「人は生まれてすぐ性別を判断され、男女どちらかのコミュニティに入れられてしまう。女の子なら、可愛いものが好きになるような環境に置かれるよね」と、語るのはSearylちゃんの親であるKori Dotyさん。
自身が男性とも女性とも自認しない「ノンバイナリー」のトランスジェンダーであり、子どもの性別は本人にしか決める権利がないと伝えている。それはKoriさんが生まれた時に、生殖器だけを見て性別を決められたことによって苦しんだ、という過去があるからだろう。
昨年11月に友人宅で出産し、自分と同じ経験をしないために、医師が子どもの性別を決める性器検査はしなかったのだ。
性別欄には「U」の文字を
![「性別不明」と認められた赤ちゃん](https://d3jks39y9qw246.cloudfront.net/medium/102721/56ca80423821add17c808944bba6f66eaebe2b68.png)
今まではMale(男性)のMか、Female(女性)のFのどちらかが記載されていた。Searylちゃんが持つのは、Unspecified(特定されていない)、Unknown(不明)を指す「U」の文字だ。
どちらの性別なの?とみんなが聞いてくるけれど、それはまだわからない。どちらかを選ぶのか、「U」の文字を続けるのか。強制のない世界で、自分の興味や関心に素直に生きてほしいと語るKoriさん。しかし、政府が認めたのは保険証だけ。今も「ジェンダーフリーID連合(Gender-Free I.D. Coalition)」と共に、性別を記入しない出生証明書を発行してもらうために闘っている。
![「性別不明」と認められた赤ちゃん](https://d3jks39y9qw246.cloudfront.net/medium/102757/2a32df8f9ec6521bfdc4ce1ecb5f199fcee13a11.png)
![「性別不明」と認められた赤ちゃん](https://d3jks39y9qw246.cloudfront.net/medium/102759/44de0314dbe658e712365a079894f6c32716442e.jpg)
Reference:Charmaine de Silva