「世界で活躍する日本の若者」が教えてくれた大切なこと
海外で日本文化を紹介する際に大切なことは、ひたすらモノを並べて見せるだけではなく、体験して楽しんでもらうこと。そうしてはじめて、交流は実現するのではないでしょうか。
そう思わせてくれたのは、トロントで開催された「Japan Festival CANADA 2017」や、その出演者だった日本の若者たちでした。
カナダ最大級の"お祭り”が
トロントで開催
8月末に開催された「Japan Festival CANADA」は、日本の食・テクノロジー・伝統・文化などの良さを、カナダの人々に伝えようと、ステージパフォーマンスや、日本映画の上映などを通じて文化交流を実施している“お祭り”です。
ニューヨークやロサンゼルスで開催されているような大規模なものは、カナダでは初めてだったそう。なんと8万人もの人がトロントに集まり、日本文化を楽しんだのです。
和や本当の日本をシェアして
相互理解を深めたい
2017年はカナダ建国150周年であり、2018年は両国の国交樹立90周年を迎える大きな節目。
この機会に、全力でお祝いをしようという主催者の思いから、現地の日本人コミュニティーを中心に、日本の伝統文化を実際に体験して楽しみながら文化交流を深められるブースが多く設置されました。
10代の若者たちに
絶賛の声が!
お祭りには、日加修好80周年親善大使にも選ばれたアーティスト「Monkey Majik」のほか、この日カナダを祝うために日本からやってきた若きパフォーマーたちの姿も。
2日間にわたり、日本の伝統文化だけではない、西洋文化とミックスされた歌・演奏・ダンスで、現地の人々を盛り上げました。
「式典に参加されたミシサガ市長のBonnie Crombieさんや、大使館や領事館のみなさまも、とてもすばらしいパフォーマンスだったと絶賛していました。若者が熱意を込めてダンスなどで体現しながら、日本と西洋の文化を合わせてコンセプトをつくっていらっしゃる。わたしたちと掲げている思いは合っていました」と、主催者の若狭輝行さん。
DJが即興で音楽を合わせた、その瞬間にしか見ることのできないパフォーマンスや、観客と一緒にダンスを楽しむ彼らの演技の数々には、ワンモアタイム!と叫ぶ人も。
しかも、そんなエンターテイナーたちを率いていたリーダーの女の子は、なんと高校生だというからビックリ。少しだけお話を聞いてみました。
「拍手や歓声が嬉しかったです」
飯山彩菜さん
「前に行ったシンガポール公演よりも規模が大きいイベントでした。お客さんと一緒に全体で盛り上がれたので良かったと思います」。
彼女は、英語・日本語による舞台発表を国内外で行う日本の団体「Youth Theatre Japan」に所属しているパフォーマー。ショーで歌やダンスを披露する姿は、まさにプロフェッショナルそのもの。今回は、所属メンバーを率いる大役を担っていました。
海外で自分の力を試したい!
カナダ到着後すぐに翌日のリハーサルをするメンバー
彼らのプロ意識は、リハーサルで見せた姿勢や眼差しにあらわれていました。疲れなんて微塵も感じさせず、エンターテインメントの楽しさを表現するだけでなく、国際人として自分の力がどれだけ世界に通用するのかを強く意識しているようでした。
ステージで堂々たる存在感を発揮していた、ムードメーカーのトラウデン都仁くんも、内心こんな考えを持っていたそう。
「緊張しました。でも、それは自分がやってきたことがちゃんとできるか不安になっているということ。これからも、ちゃんと緊張できるように、絶対ミスらないぞっていう気合いを入れるために、もっと努力をしていきたいと思っています」
日本文化を多くの人々に体験してもらうために、カナダで過去最大となるお祭りを成功させた「Japan Festival CANADA」。そこで絶賛された頼もしい「18人の若者たち」。彼らと同じ意思をもつ8,000人超のメンバーを日本でサポートする「Youth Theatre Japan」。
カナダと日本の良好な関係性は、国際社会で活躍したいという高い志をもって文化交流を深めている彼らのような存在があってこそ、保たれているのでしょう。
これまでにも、ニューヨーク、シンガポール、上海、ホノルルでの公演を成功させてきた彼らが、次に向かう場所は一体どこなのか?それはまだわかりませんが、きっと今も世界に羽ばたく準備をしているはず!
※Youth Theatre Japanは、歌やダンス、演奏といったパフォーマンスを通じて、自主性、協調性、実行力などを自然と強化していきながら、国内外で舞台発表を行う日本の団体。所属メンバーはプロジェクトベースの活動の中で、多様な価値観を尊重するフラットな感性を磨く環境に身を置いている。