いま考える、「映画館の意義」

ストリーミングサービスによる映画配信が主流になって久しい。

新型コロナウイルスの影響もあって、映画館に行く機会はどんどん減ってきている。ストリーミングの普及は私たち鑑賞者にとっては便利だし、これが「新しい映画のスタンダード」と捉えることもできる。

しかし当然ながら、映画館にとっては大打撃。そんな状況のなか、古き良き映画館の意義・価値を語るのに、もっとも説得力があるのは誰でしょう?

© AMC Theatres/YouTube

先の質問の答えは、映画館“当人”だったようだ。

CMで訴えられる「映画館の意義」。いわくそれは、単なる映画鑑賞の体験を超えた“魔法”をかけること。

大画面で流れる映像と迫力ある音響、そして皆で観る独特の空気感は、ストリーミングで観るそれとは全くの別体験で、異世界にいるかのよう。

ニコール・キッドマンが語るこの言葉にできない感覚は、誰しも共感できるものなのではないだろうか。

自宅や出先で観る映画にも良さは色々あるけれど、やっぱり体験という点では映画館には到底叶わないし、そもそも同じ土俵ではないということ。

体験という点で、映画館の魔法とは音楽のライブやコンサートのような、よりフィジカルな体験に近いものなのかもしれない。

そして「映画館の意義」は、ある意味、映画の魅力の本質とも言えるのではないだろうか。

「映画館の存在意義」を、映画館側から発信したというのも面白いところだ。危機的状況にあってなお、揺らがぬ価値を貫こうとする姿勢は美しい限り。自分たちの価値は、自分たちが一番理解している……といったところか。

揺らがぬ価値を再認識するとともに、そんな映画館の自身に満ちた姿も見習いたい。さて、いま映画館にいくならやっぱり……?

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TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。