この場所でスマホを使ったら罰金約35,000円。サンフランシスコに出現した「とある看板」に考えさせられる・・・

「No Tech Zone(テクノロジー禁止ゾーン)」と書かれている。この標識が設置されたのは、米・サンフランシスコにある「Alamo Square Park」がある通りだ。画像を見てみよう。

ガーディアン」紙によれば、この看板は、2015年9月21日の朝に突如設置されたらしい。何の目的で誰が置いたのだろう?と議論が巻き起こったが、翌日の午前中には消えていたという。地元当局も、誰によるものかわからないと回答した。

記載にはこうあった。

「携帯電話、タブレット、ラップトップ、スマートデバイスは禁止。違反した場合、300ドル(約35,000円)の罰金」

サンフランシスコといえば、世界最先端の街。「未来都市」とも呼ばれるような場所だ。看板が設置されていた場所が、Googleの社員用シャトルバスの停留所付近だったことから、テック企業に憤りを感じた何者かによる“静かな抵抗”だったのではないかと噂された。

街の住民の声は様々だ。なかには「取り外されてしまったことが残念」という意見も。誰もが首をかしげる珍事件だったが、2週間後再び公園内に看板が現れることに。一体誰が!?

アーティストによる
パフォーマンスアートだった!

じつはこれ、サンフランシスコ在住のアーティスト、アイヴァン・キャッシュ氏によるパフォーマンスだった。各メディアに謎の事件として取り上げられたのち、TVなどに本人が出演し、その真相を語った。その様子が上の動画に収められている。

再び突如として現れた看板。今度は公園内に設置され、多くの人の間で話題に。

デバイスの持ち込みを禁止する看板を、スマホで撮影する人々。

指をさし、不思議そうに見つめる通行人。たしかに「ナニコレ?」と感じてしまうのは想像に難くない。

キャッシュ氏は、もともとニューヨークで生まれ育ち、サンフランシスコに移住してアートスタジオを始めた。元Facebook社員であり、テクノロジーに精通している。

「テクノロジー産業が、友達を雇用し、好きなモノやサービスを作り、支払いまで管理しています。わたしはこれを課題と捉えています。世界中の人々や、あらゆるものへの繋がりが、スマホ画面を通して行われています。サンフランシスコは特にそう」

「都市部で暮らしていても、公園に行けば街の喧騒から離れられます。どこか外に出たくなったときに訪れますが、通行人を眺めていると、せっかくの景色や心地いい音ではなく、スクリーンに目を寄せている人が多かった。わたしは、この看板が人々が会話するためのきっかけとなり、少しでも笑顔になってくれればと思っています」

看板は1枚100ドルで販売されている。もちろん私有地での使用に限るが、デジタル断捨離を考えるきっかけにはなるかもしれない。

Licensed material used with permission by Ivan Cash
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。