目の見えない人にとって「愛する人」はこう見えている。
目が見えない人の世界を想像しようとしてみても、なかなかうまくイメージできないかもしれません。
まったく見えない状態で生活している人は、周りの情報をどうキャッチし、どのくらい把握しているのでしょうか。
そこで見ていただきたいのが「CUT」の動画。目が見えない人たちに、自分の近しい人の顔の特徴を語ってもらい、それを彫刻家のPam氏の手によって再現したのです。
愛する人は、どんな顔?
1人目
いつもお世話してくれている女性。
1人目の女性はこちら。スタッフに「もうちょっとカメラのほうを向いて」と言われて「カメラは右側?私、目が見えないのよ」と笑います。
目の見えない彼女が語るのは、いつも自分のために働いてくれている女の子。妹から、どんな見た目かは聞いているそうです。
2人目
30年連れ添った、妻。
2人目は、ぼんやりと、霧のようにだけは見えるという、こちらの男性。
連れ添って30年になる妻の顔について、語ってくれるそうです。
3人目
全盲の女性と、息子。
こちらは、全盲の女性。
彼女は、自分の息子を選びました。
頭のなかにある
「愛する人の顔」を語る。
そんな彼らの語り口は、とても正確です。
「私の頭ほど丸くないけど、帽子のサイズは私より大きいわ」
「きっと、眉毛にはすぐに目がいくはずよ」
「髪の毛は長さにもよるけど、アフロみたいな感じなんだ」
その話をもとに、顔をつくっていく彫刻家のPam氏。
「ちゃんと似ているといいんだけど…」「妻に、こんな風な見た目だと思ってたの?なんて怒られたらイヤだなぁ」と、参加者もドキドキ。
そして、できあがりに
みんなびっくり。
鼻ピアスや眉毛の特徴まで完璧に再現されていて、これには誰もが「すごい!」と感動。
「あら、ステキ!肌のたるみもなくしてくれたのね(笑)。素晴らしいわ」。
3人目の彫刻も、切れ長の目や大きい鼻、ふっくらとした頰など、特徴を見事に捉えています。
さわって、比べてみると…
そして最後は、彫刻と本人を、実際に手で触れながら比べてみたのです。
驚きなのは、もう何年も彼らの姿を見ていないにも関わらず、その特徴をほぼ完璧に捉えていること。愛する人の顔はちゃんと「見えて」いるんだ、と。