すべての人に美しい運河を!車椅子のまま乗れるゴンドラが誕生(ヴェネツィア)
水の都・ヴェネツィア観光といえば、美しい運河を渡る「ゴンドラ」が欠かせません。
歴史ある美しい風景を眺めながら大水路を移動する体験は、他の街ではなかなか味わうことができません。
「ずっと歯がゆい思いだった」
しかしゴンドラは縦に長く狭いため、車椅子の人は乗車ができませんでした。代々続くゴンドラ乗りの4代目、Alessandro Dalla Pietàさんは、ずっとそんな様子を見て歯がゆい思いをしてきたそうです。
そこでPietàさんは一念発起。資金を集めて、車椅子でも乗れるゴンドラを作り上げたのです。その名も「Gondolas4All」。
ーー すべての人に、ゴンドラを。
資金繰りには
4年の歳月
開発は、決して平坦な道のりではありませんでした。政府やホテルのオーナーから投資を受けましたが、平行して行っていたクラウドファンディングはうまくいかず、結局は銀行からお金を借りて、合計12万ユーロ(約1,500万円)を調達。
4年の歳月を経て、昨年4月にようやくゴンドラが完成し、ヴェネツィアの水路へと漕ぎ出しました。
このゴンドラが
街を解放してくれた
おかげで、これまでゴンドラに乗ることができなかった人たちも大喜びの様子。
このプロジェクトに2万ユーロ(約240万円)を出資したホテルのオーナーは、実は脊髄性筋萎縮症で娘さんを亡くしており、多くのアクセサビリティに特化した観光サービスを提供しているそう。
彼は、今回の大きな反響について、こう語ります。
「私のホテルに泊まったたくさんのお客様が、ゴンドラに乗りたいとは思いながら、これまでは諦めてきました。しかし、もう諦める必要はないのです。ヴェネツィアの最も美しい景色は、水上からの眺めです。このゴンドラは、この街を解放したのです」
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