「キーンコーンカーンコーン」。この音は「学校のチャイム」ですが、じつは......

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

「ウェストミンスター寺院」の聖堂が竣工した日

イギリス・ロンドンはテムズ川の河畔にある、世界有数の寺院「ウェストミンスター寺院」。

無数に配された尖塔や“高さ”を強調した構造がフランス由来のゴシック建築の流れをくんだ大伽藍は、キリスト教徒にとっての重要な祈りの場であり、歴代のイギリス国王の戴冠式や埋葬式、そしてロイヤルウェディングの会場にもなっている由緒正しい場所です。

今から956年前(1065年)の今日12月28日は、そんな「ウェストミンスター寺院」の聖堂が竣工し、はじめて催事がおこなわれた日です。

1987年に「国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)」が定める「世界遺産(文化遺産)」に認定されたこの寺院は、ロンドンを代表する観光スポットとしても人気なのですが、イギリスの文化や歴史、海外旅行などに興味のない人にとっても非常に馴染み深い場所だということを知っていますか?

♪キーン コーン カーン コーン

キーン コーン カーン コーン♪

音を文字で表現し、それを理解してもらうのは簡単ではありませんが、この文字列をみて、おそらく多くの人が同じメロディを連想したはずです。

そう、学校の始業や終業、授業の終わり&開始、職場でのお昼休みのタイミングなどに耳にする、あのチャイムです。

じつはこのチャイムのメロディは、1927年にこの寺院のために作曲され、隣接する「ウェストミンスター宮殿(現・英国国会議事堂)」にある巨大な時計台「ビッグベン」(旧正式名称:クロックタワー)で奏でられているものをベースにしているのです。

2012年、エリザベス女王の在位60年を記念して「エリザベスタワー」とその名称をあらためたビッグベンの鐘の音が日本の学校などで使われるようになったのは1956年のこと。

“発祥の地”とされる「大森第四中学校」(東京都大田区)の公式サイトにはこう記されています。

昭和31年に全国で初めて始業と終業を知らせる

チャイムを取り入れました。

それまでのカネを鳴らしながら廊下を歩いて回る方法から、

時計と連動して設定した時間になると

ウエストミンスターの鐘の音を模したあの聞きなれた

チャイムが流れる方法の発祥の地が本校なのです。

その後、どういった経緯で全国の学校をはじめとした施設に普及していったか定かではありませんが、日本の多くの人が、幼いころからイギリスの由緒正しく歴史深い寺院の鐘の音と日々触れていたなんて......。

もし、その事実を知っていたとしたら、鳴り終わりと同時にグラウンドに飛び出して「サッカーしようぜ!」ではなく、持ち寄ったスイーツをテーブルに並べて「アールグレイでも淹れましょうか?」となっていたのかも......?(笑)

Top image: © iStock.com/Geoff Eccles
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