「直接聞いちゃえ〜!」Z的家計の見直しが大胆な件

パンデミックによるロックダウン、長引くインフレーション……。若くして世界的な不況に直面してきた(している)Z世代のお金に対する不安は、どの世代よりも大きい。

2023年、アメリカのZ世代を対象に行われた調査によると、およそ39%が本業と別に副業で収入を得ているそう。いっぽうで「経済的に安定している」と答えたZ世代の割合は、じつに3分の1以下。回答者の大多数が十分なお金を持っていないことに不安を感じると答えた。

さて、そんなZ世代がいま、不安を解消するべく実践しているのが家計の見直しだ。約8割が家計を見直したいと考えているとのこと。方法は?友人の節約目標を宣言するTikTok(「Loud Budgeting」)を参考にするのもアリ。だが、もっと簡単で賢い方法をZたちは見つけているようだ。

「直接聞かせてください!」
お財布事情を曝け出すアプリ

© frinchapp / Instagram

それが、Z世代向けのファイナンシャルコミュニティアプリ「Frich」。

特徴はズバり、ユーザー同士がお互いの財布事情を赤裸々に話せること。「奨学金はどのくらい借りている?」「投資はしている?資産運用は?」など、アプリ内では“普段は聞けないけれど気になる”お金にまつわるトピックを匿名で質問することができる。

また、自分の地域に暮らすZ世代がどれだけの収入を得て、何にどのくらい使っているかも、データから確認することが可能。他人のリアルなお財布事情を参考に、自分の金銭感覚をチューニングできるというわけだ。

若い世代が求めるのは、
第三者からのお金のアドバイス

誕生のきっかけは、共同創設者であるKatrin Kaurov氏の経験から。ティーンモデルとして活躍し、若くして経済的に自立したもののお金について相談できる場所が身近になく、フラストレーションを感じていたのだとか。

どのくらい使って、どのくらい貯めるべきか。他の誰か、特に同世代とお金について会話しあえる場所があったなら……そんな若き日のKaurov氏の悩みは、どうやらみんなが一様に抱えていた様子。

2021年ローンチした「Frich」は、現在全米で10万人以上のユーザーを抱えるまでに成長。先日は280万ドルの資金調達にも成功するなど、今や皆が注目するプラットフォー厶となっている。

家計の見直しは
“誰か”とするのがZ流

© joinbloom / TikTok

じつは、こうしたお金にまつわるアドバイスを第三者から得るアプリは「Frich」以外にも続々と誕生しており、たちまち人気となっている。たとえば、Z世代の女性を対象に資産運用についてアドバイスを提供する「Alinea Invest」は、およそ20万人の利用者を獲得。ティーンが株式投資を学び、挑戦できるツール「Bloom」は、2022年のローンチから、わずか2年で100万ダウンロードを突破するなど、まさしく飛ぶ鳥落とす勢いだ。

 

自分のお金の使い方を単に共有するだけでなく、周りと一緒に考えていく……。経済的、そして精神的な負担も解消するインタラクティブな家計の見直しが、今後Zの主流になっていくのかもしれない。

Top image: © iStock.com/Alihan Usullu

 

*****

TABI LABOを運営するNEW STANDARD株式会社のコーポレートマガジン「ニュースタ!」では、 Z世代のさまざまな価値観をご紹介しています。

ぜひ併せてご覧ください。

 

>>> Z世代とは?新しい価値観をリードするZ世代16の特徴

Z世代の特徴
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。