撮影期間5年、600時間以上。「同性婚裁判」の裏側に迫ったドキュメンタリーが胸を打つ
2015年6月、アメリカ全州で同性婚が認められたことは大きな話題になりましたが、そこに至るまでは長く険しい道のりがありました。
1月30日に公開された『ジェンダー・マリアージュ 〜全米を揺るがした同性婚裁判〜』は、5年間に渡って、その舞台裏に迫ったドキュメンタリー映画。他人事とは言えない、様々な問題が投げかけられています。
同性婚が「住民投票」で禁止に
2008年11月、物語の舞台となるカリフォルニア州では、住民投票によりそれまで認められていた同性婚の禁止が決まりました。つまり、結婚は「男女間に限る」と正式に決まってしまったのです。
ここで立ち上がったのが、ジェフとポール、クリスとサンディという2組の同性カップルでした。映画は、4人が原告として勇気を振り絞り、米・最高裁で審理を受けるまでの姿を記録したもの。
彼らの想いのほかに、「神は絶対にお前らの結婚を認めない!」「ホモはケダモノ」といった保守派の反対意見も、リアルな声として焦点が当てられています。
立ち上がったのは
ライバル同士だった2人の弁護士!
原告の力強い味方となった2人の弁護士、テッド・オルソンとデビット・ボイスは、かつて大統領選でジョージ・W・ブッシュとアル・ゴア、それぞれのアドバイザーだったライバル同士でした。
しかし、このたび保守派やリベラル派の垣根をも超えた協力体制を築くことに。
「この訴訟に勝ったら、何百万人という人々が救われる」
ところで、日本は?
さて、日本でのLGBTや同性婚は現在、どうなっているのでしょうか。2015年11月5日、東京都の渋谷区と世田谷区で「同性パートナーシップ証明書」の発行が始まりました。オフィシャルに性的マイノリティが認められたことで、とても大きな一歩となりました。 しかし、法的拘束力はなく、まだまだ課題も多いようです。
同性婚裁判の裏側を追ったドキュメンタリー映画。作品に込められたメッセージもストレートで印象的です。
「愛する人を愛せる社会に」
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