屋根の「鬼瓦」を室内に。柔軟な姿勢で伝統文化を守る。

「伝統文化の継承が危惧されている」、近年はそんな話をよく耳にする。要因はさまざまだろうが、この記事のテーマとなる「鬼瓦」は、生活様式が多様化したことの影響を色濃く受けていると言えるだろう。僕を含めて人々の一戸建て志向は薄れているし、仮に建てたとしても洋風の家がほとんどだからだ。

こうした状況に直面したとき、伝統を絶やさないために取りうる選択肢は2つだと思う。頑なにスタイルを貫くか、もしくは、人々のライフスタイルに合わせて、カタチを柔軟に変化させていくか。

ここで紹介する「鬼瓦家守」は、後者に該当する取り組み。本来は屋根に飾られていたそれを、室内へと持ち込んだ。

鬼に守られて、暮らす。

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そもそも鬼瓦は、家に寄る邪気を祓い、そこに住まう家族を守る役割を持ったもの。シーサーや狛犬などと同様に、魔除けのような存在だ。

ただ、たしかに必ずしも屋根の上でなくてもいいかもしれない。そう考えると、マンションであれ、洋風住宅であれ、住宅様式がどのように変化しても、「守り神」としての役割を担い続けることができる。

「鬼師」によって
顔の雰囲気が異なる

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鬼師とは、伝統の製法によって鬼瓦を生み出すことができる、誇り高い職人の肩書き。「鬼師の個性が鬼面に宿る」と言われるほど、どことなく作り手に似た雰囲気を持つ点も愉しみの一つなのだそう。

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土を自在に操り、幾多のへらを使いこなす。その姿はまるで、鬼を作り出す“鬼神”のよう。

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選ばれし9人が、魂を分け与えるような気持ちで丹念に仕上げる「鬼瓦家守」。価格は26,000円で、桐箱入りだと28,000円(ともに税別)。それぞれの作り手のストーリーは、HPに綴られているのでぜひチェックしてほしい。

瓦を使わない住宅でも「一家に一鬼」。そんな日が訪れることを願い、鬼師たちは今日も無心で鬼を彫り続けているはずだ。

Licensed material used with permission by onigawara iemori
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