オーストラリアから世界へ。まるまる1ヶ月間「NOプラスチック生活」のムーブメント
現代社会が抱える深刻な環境問題を、あえてユーモラスに伝え、お祭り気分の参加型エコチャレンジとすることで、国境を越えて人々が自発的に取り組んでいる活動を紹介します。毎年7月に開催される「Plastic Free July」。
30日間ならいける?
チャレンジ参加歓迎のエコ活動
ペットボトル、レジ袋、ストロー、コーヒーのプラスチックカップ、ありとあらゆる使い捨てプラスチック製品をまるまる1ヶ月絶つ、という運動。2011年オーストラリアで始まり、わずか7年のうちに急速に世界中へと拡大。昨年は100万人以上が1ヶ月間に渡ってプラスチックゴミを出さない生活を体験したそうです。
とはいえ100万人……世界の人口や、すでに海を漂うプラスチックゴミの総量からすれば、ほんの一握りにも満たない数字。これが現実です。
それでも、毎年チャレンジに参加する人は右肩上がりで増加。それもすべて参加者たちが、口伝えに運動を友人からまた友人へと広げていくからなんだとか。つまりは草の根運動なわけです。
「とにかくやってみる」から始まる
キャンペーンを推進する団体のこれがプロモ動画。深刻なはずのプラスチックゴミ問題、それをかなりギャップを覚えるコミカルな演出で伝え、誰でも参加しやすいイメージをつくりだしているようにも。まるで「いいじゃない、途中でギブアップしても」というように。
未来に「何を残すか」を考える1ヶ月
たかだが30日間チャレンジしたところで、自己満足に浸ってハイおしまい──。こう揶揄されたって不思議はありません。でもその輪に加わった人たちは、きっと「残りの11ヶ月をどう過ごすか」の意識が変わったんじゃないか、と思うわけです。
本来ならば今月のはじめに紹介しようと思っていたもの。それが1週間以上経った今このタイミングになってしまったのも、お恥ずかしながら、見渡せばやっぱり自分の身の回りにどれだけプラスチック製品の多いことか。
そう考えると、1ヶ月間って意外にしんどい。だからチャレンジ。20日ならもしかしたら、10日だったいけるはず。“やるやる詐欺”には注意ですけどね。
ちょっとだけ最後に深刻な話を。Plastic Free Julyキャンペーンをオーガナイズする団体は、こう警鐘を鳴らしています。世界経済は21世紀に入りわずか10年で、1900年代に製造したプラスチック製品の総量をすでに超えてしまった、と。