「3秒」が教えてくれる、究極のチームワーク
たった数年で、身のまわりは激変しました。
いま、この記事を読んでいるスマホや、はたまたSNS、Googleだって、あっという間に “なくてはならないモノ” になり、今さらながら、シリコンバレー恐るべしという感じです。とはいえ、進化のすべてがシリコンバレーから生まれてるっていうワケでは当然ありません。
たとえば、F1の世界を覗いてみましょう。いわずと知れたモータースポーツの最高峰です。若い世代にはピンと来ない人もいるかもしれませんが、極限の環境下で1/1000秒を争うF1から応用されている技術や研究は、驚くほどたくさん存在します。
しかもマシン開発の技術だけではなく、最新の医学やデータ通信技術などまでその領域は広がっているんです。
たとえば、わずか「3秒」のタイヤ交換。改めて見ると、鳥肌モノのチームワーク……。よくメディアで取り上げられるのも納得です。
でもこれは、F1の魅力のほんの一部でしかありません。
フェラーリのチームワークが
「医療」の参考に!?
F1のチームワークを分析した事例としては、英オックスフォード大学の研究レポートが有名です。
簡単に言うと「F1などのチームワークを参考にしたら、手術全体のフローがスムーズになり、ミスも少なくなった」というもの。
たとえば心臓手術の場合、15分に2回も患者と機械などの移動があり、同時に容態の伝達などもするそうです。正確さとスムーズさによっては、手術の成否にだって影響しかねません。一瞬を争いF1のピット作業も似た環境だと言えるでしょう。複数のプロフェッショナルがひとつの目的に向かい、同時に複雑なタスクをこなしています。
主にF1から参考にしたのは
・リーダーシップ
・コミュニケーション
・予測
・トレーニング
・レビュー会議
などなど。
結果的にチームの連携が強まり、多くの改善が見られたそうです。F1とチームワークの関係性は、こんな風に医療の最前線でも活かされているんです。
F1のセンサー技術は
「スポーツ」にも活かされる
「走行中には5Gの重力がかかる」「レース中の心拍数は平均180」「1レースで5リットルの水分を消費する」といった、F1ドライバーにまつわる逸話の数々。
トップドライバーは、もちろん運転がうまいだけで勝てるような世界ではなく、トップアスリートとしてのフィジカルやメンタルなど、幅広い領域での「質」が求められます。そんなF1で採用されてる遠隔測定や、ドライバーのパフォーマンスをリアルタイムでモニタリングする技術は、他のトップスポーツにも応用されているんです。
たとえば、英・自動車メーカー「マクラーレン」の開発チームが、競輪のトップチームとコラボして自転車のフレームに合うセンサーを開発したり、ウォータースポーツではオールやユニフォームに搭載できるように改良した、なんていうケースもあります。
そのとき重要なのは、テクノロジーの提供だけではなく、同時にF1という究極のモータースポーツで培った経験やノウハウも共有することなのだとか。
これまで、F1ドライバー「=トップアスリート」というイメージがなかった人も、こういうエピソードを聞くと、その凄まじさが伝わるのでは?
世界最高峰は
“生” で見てこそ震える
1台のマシンを、最高の状態で走らせるためのチームワーク。
ひとりのドライバーを、極限でサポートするテクノロジー。
それぞれのメーカーが威信をかけて——と言うと月並みですが、そこには巨額の投資と、優秀な人材が送りこまれ、紛れもない “世界最高峰” を争っているワケです。
そんなF1のレースは、年に1度だけ日本で見ることができます。会場は、伝統の「鈴鹿サーキット」。テクニカルコースとしても知られ、選ばれし20名のドライバーたちが2時間あまりの激闘を繰り広げます。
2019年の「F1日本グランプリ」は、10月13日(日)に決勝レースが開始。世界中を舞台に年間21戦で繰り広げられるシリーズの、佳境ともいうべき第17戦に組み込まれています。過去には鈴鹿ラウンドでシリーズタイトルが確定したこともあり、海外からも多くの人が詰めかけます。
スタートの瞬間は、ベテランのファンですら何度見ても身震いがするそうです。
最先端のテクノロジーを体感するもよし、ただただ最高峰のレースの迫力に感情を揺さぶられるもよし。今まで見えなかった世界が開くかもしれませんよ。
「2019 F1日本グランプリ」
日時:2019年10月11日(金)〜13日(日)(※決勝は13日)
会場:鈴鹿サーキット(三重県)
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