「3秒」が教えてくれる、究極のチームワーク

たった数年で、身のまわりは激変しました。

いま、この記事を読んでいるスマホや、はたまたSNS、Googleだって、あっという間に “なくてはならないモノ” になり、今さらながら、シリコンバレー恐るべしという感じです。とはいえ、進化のすべてがシリコンバレーから生まれてるっていうワケでは当然ありません。

たとえば、F1の世界を覗いてみましょう。いわずと知れたモータースポーツの最高峰です。若い世代にはピンと来ない人もいるかもしれませんが、極限の環境下で1/1000秒を争うF1から応用されている技術や研究は、驚くほどたくさん存在します。

しかもマシン開発の技術だけではなく、最新の医学やデータ通信技術などまでその領域は広がっているんです。

© SCOTT BELLCHAMBERS/YouTube

たとえば、わずか「3秒」のタイヤ交換。改めて見ると、鳥肌モノのチームワーク……。よくメディアで取り上げられるのも納得です。

でもこれは、F1の魅力のほんの一部でしかありません。

フェラーリのチームワークが
「医療」の参考に!?

F1のチームワークを分析した事例としては、英オックスフォード大学の研究レポートが有名です。

簡単に言うと「F1などのチームワークを参考にしたら、手術全体のフローがスムーズになり、ミスも少なくなった」というもの。

たとえば心臓手術の場合、15分に2回も患者と機械などの移動があり、同時に容態の伝達などもするそうです。正確さとスムーズさによっては、手術の成否にだって影響しかねません。一瞬を争いF1のピット作業も似た環境だと言えるでしょう。複数のプロフェッショナルがひとつの目的に向かい、同時に複雑なタスクをこなしています。

主にF1から参考にしたのは
・リーダーシップ
・コミュニケーション
・予測
・トレーニング
・レビュー会議

などなど。

結果的にチームの連携が強まり、多くの改善が見られたそうです。F1とチームワークの関係性は、こんな風に医療の最前線でも活かされているんです。

F1のセンサー技術は
「スポーツ」にも活かされる

「走行中には5Gの重力がかかる」「レース中の心拍数は平均180」「1レースで5リットルの水分を消費する」といった、F1ドライバーにまつわる逸話の数々。

トップドライバーは、もちろん運転がうまいだけで勝てるような世界ではなく、トップアスリートとしてのフィジカルやメンタルなど、幅広い領域での「質」が求められます。そんなF1で採用されてる遠隔測定や、ドライバーのパフォーマンスをリアルタイムでモニタリングする技術は、他のトップスポーツにも応用されているんです。

たとえば、英・自動車メーカー「マクラーレン」の開発チームが、競輪のトップチームとコラボして自転車のフレームに合うセンサーを開発したり、ウォータースポーツではオールやユニフォームに搭載できるように改良した、なんていうケースもあります。

そのとき重要なのは、テクノロジーの提供だけではなく、同時にF1という究極のモータースポーツで培った経験やノウハウも共有することなのだとか。

これまで、F1ドライバー「=トップアスリート」というイメージがなかった人も、こういうエピソードを聞くと、その凄まじさが伝わるのでは?

世界最高峰は
“生” で見てこそ震える

1台のマシンを、最高の状態で走らせるためのチームワーク。
ひとりのドライバーを、極限でサポートするテクノロジー。

それぞれのメーカーが威信をかけて——と言うと月並みですが、そこには巨額の投資と、優秀な人材が送りこまれ、紛れもない “世界最高峰” を争っているワケです。

そんなF1のレースは、年に1度だけ日本で見ることができます。会場は、伝統の「鈴鹿サーキット」。テクニカルコースとしても知られ、選ばれし20名のドライバーたちが2時間あまりの激闘を繰り広げます。

2019年の「F1日本グランプリ」は、10月13日(日)に決勝レースが開始。世界中を舞台に年間21戦で繰り広げられるシリーズの、佳境ともいうべき第17戦に組み込まれています。過去には鈴鹿ラウンドでシリーズタイトルが確定したこともあり、海外からも多くの人が詰めかけます。

スタートの瞬間は、ベテランのファンですら何度見ても身震いがするそうです。

 

最先端のテクノロジーを体感するもよし、ただただ最高峰のレースの迫力に感情を揺さぶられるもよし。今まで見えなかった世界が開くかもしれませんよ。

→詳しくはコチラから!

「2019 F1日本グランプリ」

日時:2019年10月11日(金)〜13日(日)(※決勝は13日)
会場:鈴鹿サーキット(三重県)

参照元: KEN R. CATCHPOLE PhD MARC R. DE LEVAL MD ANGUS MCEWAN FRCA NICK PIGOTT Frcpch MARTIN J. ELLIOTT MD, FRCS ANNETTE MCQUILLAN BSc CAROL MACDONALD BSc ALLAN J. GOLDMAN(2007).Patient handover from surgery to intensive care: using Formula 1 pit‐stop and aviation models to improve safety and quality, mclaren.com

 

【関連記事はコチラ】