海外フォロワー95%超え!異色YouTuber「TAKASHii」のコンテンツ制作術!

今回インタビューをさせて頂いたのは、日本拠点ながら海外のフォロワーが95%を超えているという独自のYouTubeチャンネル『TAKASHii from Japan』のクリエーターTAKASHiiさん。

同じプラットフォームながらも、日本と海外で大きくコンテンツ制作が異なる「YouTube」。

あえて、海外へ向けたコンテンツ制作を1人で行い続ける彼に"自己分析"をしてもらうことで、彼の映像コンテンツに対する鋭い洞察力が浮かび上がってきました。

© TAKASHii from Japan/YouTube

「ハーフブラックの方が日本で育つことについて」をテーマにした動画には、436万回再生/7486 件のコメント(記事執筆時)が寄せられた。

 

日本育ちだからこそ生み出せる価値

 

—— 小さい頃はどんな生活をされていましたか?

 

普通の男の子だったと思います。ただ当時から、海外の文化にはめっちゃ触れてて、バスケを通してNBAの試合とかをずっと観ていたり、親の影響で海外ドラマとか観ていました。

小学生の頃から『プリズン・ブレイクシリーズ』を観ていたり、今考えると、英語に触れる機会は多少多かったのかなと思います。

 

—— YouTubeでも英語を流暢に話されていますが、学生時代の英語の成績はぶっちゃけどうでした?

 

学校での英語の成績はずっと良かったですね。他の教科と比べて、社会で必要性が感じられやすい教科じゃないですか(笑)

これは役に立つだろうと思って、英語や国語などは、勉強していて、自分の得意教科でもありました。

 

——YouTubeを始めたきっかけは、なんだったんでしょうか?

 

僕実は、大学で就活してなかったんですよ。4年生の10月の時点で就活してないって結構もうやばいじゃないですか(笑)

それでもう、なんか自分でやらないといけないなと思って。会社とかに属したくないと思ってたんですが、当時からYouTubeというのが頭の中にあって。

コストがかからず始められるし、収益化は難しいですけど、半年ぐらいで一応可能ではある。

そこで、10月から始めて卒業する3月までに収益化しようと決めて始めました。月15万円もあれば、1人で生きてはいけるんでそこまでは結果出そうと思って始めたのがきっかけですね。

 

——英語を使ってYouTubeを始めるに至った経緯は?

 

僕は、自分が日本人で英語がネイティブじゃない日本語訛りの英語を話すっていうのが、ある種の強みだと思ってまして。

僕のチャンネルのコンテンツは、外国人の日本語を話す方も制作することはできると思うんですが、インターナショナルな学校や留学にも行っていない日本育ちの僕が創るからこそ価値があると思っています。

企画自体に関しては、始める前に少しYouTubeのリサーチを行なってました。

今から4、5年ほど前にインタビュー企画というコンテンツは少し流行っていた時期があって、コンテンツのクオリティで言うと映像がブレていたりするのに、何百万再生回数のものもあったり。

これをもう1度クオリティを高めて再現すれば、いけるなという自信はありました。

 

視聴者がコメントを残したいコンテンツ

 

——動画の中でのトピックは社会的な問題を扱ったものが多いと思います。そこに意味はあったりしますか?

 

3つの理由があって、1つ目はやっぱり再生回数が取れるってことですね。

僕自信コンテンツ制作には、いろんな考えを持っているんですけど、中でも、「その場で考えが止まるようなコンテンツ」は作りたくないと思ってまして。

観終わったあとに、自分の意見をコメントとして残したいようなコンテンツを意識して作ってます。そうなってくると、社会問題のようなシリアスなトピックの方が視聴者も参加しやすいように思います。それが2つ目の理由ですね。

そして、自分自身がやっていて楽しいというのが3つ目の理由です。

 

——TAKASHiiさんの動画を観ていると、コメント欄が活発なのがとても印象的です。

 

そうですね。それはずっと意識しているポイントではあります。

まず僕のフォロワーはほとんど、日本にいないので。それにライブ配信とかも一切しないので、パーソナルなファンは作り辛いんですよね。

その現状で、可能な限り自分の動画と視聴者の距離感を近づけたいみたいなのがあって。となったときに、やっぱりコメントをしてもらうっていうのが一番早いかなと思っています。

それに僕がイイネをつけたりして、交流をすることを意識しています。

 

世界で通用するコンテンツを創る

 

——YouTubeチャンネルの日本と海外の視聴者数の割合って、今はどれくらいだったりするんでしょうか?

 

多分、日本の視聴者数は5%切ってますね……。日本の視聴者数というのも「日本からの視聴者数」との表示なので、その中に日本在住の外国人が多いと思ってます。

最初の投稿から、「英語音声・英語字幕」でコンテンツを作成しているので、そもそも日本人視聴者を意識してはいなかったです。

 

© TAKASHii from Japan/YouTube

TAKASHiiさんの最初のYouTube投稿動画

 

 

——TAKASHiiさんの動画を観ていると、日本人のYouTuberらしさが全くないというか、海外のYouTuberのような雰囲気を大きく感じます。

 

そうですね。そもそも、作り方自体も海外のコンテンツからの影響を受けてます。

日本のコンテンツの場合は、会話全部に字幕を付けることが多いんですが、それは世界的に見ると、とても特殊です。

むしろ欧米ではオーディオの質を意識しているコトが多くて。音質にこだわりを持ってやることで、字幕は付けない場合がほとんどです。

 

——なるほど。音質へのこだわりですか。

 

海外では、ポッドキャストを日常的に聴く文化が進んでいるんで。僕の動画もポッドキャストのように聴いてくれている人も少なからずいるんではないかと思っています。

 

全て1人で、やり切る。

 

——その他に、自分の中でここが得意だなと思うところはあったりしますか?

 

全部1人でやるのが、得意だとは思います。多分人によっては1人で全部やるのって、パンクしちゃったりとか、手が追いつかなくなるような人が多いと思うんですけど。

僕の場合は、全部1人でやるのが得意……というか今まで自分で全部1人でやってきたので。

例えば土日とかに原宿に撮影に行ったら、他のYouTuberの方も結構いたりするんすけど、1人でやってる人ってあんまりいないんですよね(笑)

僕の場合は、三脚持って撮影も1人でしてます。企画から編集、アップロードまで全部1人でやる人は少ないと思います。

 

——全部、1人で仕上げることにこだわりがあるんでしょうか?

 

人と何かするのが苦手とか多分合わないんですよね。

ちょっと、完璧主義的なところが自分にはあって。1回だけ編集を別の方に頼んだことがあるんですけど、これ自分でやった方が早いなと思いました(笑)

例えば、ちょっとした字幕の挿入や切れるタイミングとか、言語化が難しいような細かいところが気になっちゃったりするんです。

それからは、全部自分でやった方が良いものが作れると思いました。

 

「TAKASHii」というブランド

 

——さまざまなメディアが変遷を遂げる中で、YouTubeというメディアも変わり続けています。これから先、自身の発信方法を変えたりするなどの考えはあったりしますか?

 

YouTuberって、すごい不安定な職業だなとは思っています。

「自分がいなくなるかもしれない」という不安要素に加えて、「自分のフィールドが無くなる可能性」もある。

ただし、YouTubeがなくなっても、ビデオクリエイターという職業はずっとなくならない。

僕、最初の頃は、カメラだけを手で持って、インタビューされてる人だけを映してたんですよね。ただ2回目以降は、自分がマイクを持って、カメラの前に映るようになった。

それから自分のコンテンツが、「TAKASHiiにしか創れないコンテンツ」になったと思うようになりました。

これからはAIが進化して、いろいろな動画を作れるようになるかもしれませんが、TAKASHiiの動画が見たいと言ってくれる人がいるんだと思ってます。

他の動画クリエイターの方もそうですが、僕の動画を求めてくれる人がいるのであれば、YouTubeではなく他のプラットフォームを通して発信するのもアリかなと思っています。

 

——最後にはなりますが、前回参加していただいた「となりのZ世代」でのインタビューで、「社会のルールを1つ変えられるなら何する?」という質問で、「同調圧力を無くす。」と答えられてましたね。その思いについて教えてください。

 

日本は、とても良い国だと思ってます。ご飯も美味しいし、物価も安い、安全でインフラも整っていて、生活保護もあり貧富の差は比較的少ない。

一方で、それを作ってるのが同調圧力だったりするのかなと思うんです。

正直僕は、サラリーマンでもないし、自分で何かをすることが多いので同調圧力を受けることは少ないかもしれません。

けれど、自分の周りの人たち見たときに、多分同調圧力がなかったら今頃幸せな人生を歩んでいたんだろうなって人が多いと感じます。

もしかしたら、同調圧力があるからこそ犯罪が少ないという点に繋がっているかもしれません。

もし、それが無くなれば新しい問題は出てくると思うんですけど、こんなに良い国なのに、自殺する人が多いって言うのは、明らかに問題だなと思ってます。

これからの世界を創りあげていくであろう

新時代の『イノベーターズの頭の中』を覗いてみよう。

Top image: © TAKASHii
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。