3Dプリンター製の「リアルクローズ」が続々登場
「ショッピングなんて忘れましょう——新しい服をダウンロードする時代がすぐにやってきます」
ファッションデザイナーのDanit Pelegが、そんなファッションの新時代の到来を予感させるタイトルのスピーチを行なったのが2015年。それから3年間、彼女は「印刷する服」の可能性を切り開いてきました。
3Dプリンタでも「普通の服」がつくれる!
彼女の名が知れるようになったきっかけは、通っていたデザインアートスクールの卒業制作。そこで彼女は家庭用3Dプリンタと「FilaFlex」と呼ばれる素材を使って、5つのコレクション「Liberty Leading the People」を発表します。
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すでにほかの有名デザイナーも3Dプリンターを使った作品を発表していたなか、学生である彼女の作品が注目されたのには2つの理由がありました。
まず家庭用プリンタでつくれる「実用性」があったこと。そして、当時3Dプリントされた服がランウェイ向けのかなり奇抜なものであったのに対し、彼女のコレクションはちょっと勇気を出せば一般人でもパーティーなどで着られそうな比較的「普通の」デザインだったことです。
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卒業後、彼女は2016年に自身のブランドを設立。同年に開催されたリオデジャネイロパラリンピックでは、開会式で華麗なダンスを披露したスノーボーダーのエイミー・パーディの衣装も手がけました。
2017年、Pelegは2つめのコレクションである「The Birth of Venus」を発表。そのひとつである「3D PRINTED JACKET」は公式サイトでカスタマイズ、購入することができるようになっています(ただし値段は1,500ドルと高額)。
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3年でジャケット販売まで実現したPelegの最終目標は「デザインデータを送付するだけで自宅で服が印刷されるようにすること」。
素材やプリンターの普及や印刷時間(1着当たり100時間!)の問題もあって実現への道のりは長そうですが、どんな技術も昔は高価で手に入る人が限定的だったことを考えると全く不可能ではありません。
もしかしたら、近い将来に「コンビニでオーダーメイドの服を印刷してくる!」なんてことが普通になるのかも。