タップからセルフで注ぐビールが1時間飲み放題、しかも「バスタブ」の中で!
毎年、ひとつずつ年齢を重ねていくうちに胸のときめきが減ってきたのが、「〇〇食べ放題」という宣伝文句。常人レベルのキャパシティでしかない自分の胃袋には、そもそも“食べ放題(あるいは飲み放題)はお得”という認識はさほどなく、あえてたくさん飲み食べすることへの価値も見出せない、というのが本当のところ。
けれどこの〇〇放題だけは、正直かなり食指を動かされる。というのも、その発想があまりにもバカバカしくて(笑)、それでいて「死ぬまでに一度は経験してみたい!」とも本気で思ってしまいました。
見よ!この恍惚の表情を
お風呂につかりながら片手にビールでえびす顔。「陶酔」とは、まさにこういう状態のことを言うんじゃないでしょうか。お酒好きであれば誰もが一度はきっと経験する、あの“風呂飲み”を1時間という制限付きながら、心ゆくまで満喫できるスパがあるんです。プラハには。
蛇口をひねるように
タップからビールを注ぐ
ビールスパと言っても、こちらはお湯がビールなわけではありません。が、ビール醸造で使われるホップや酵母がお湯にじんわり!なんでも、中世の時代にはすでにビールとお風呂の組み合わせ(ビールスパ)がチェコには存在していたようで、民間療法として古代から伝わるユニークなスタイルが、今日のかたちに変容してきたんだとか。
で、とにかくウリはお風呂の蛇口と並んで設置されたビールタップ。ここをクイッとひねるだけで、お風呂につかったままグラスにビール(8〜10℃に調整)を自分で注ぐことができること。制限時間内(1時間)であれば、何杯飲んだってOK。気の合う仲間と裸になって、ぐいぐい飲めちゃいそうですよね。
少し健康面が気になりますが、心臓への負担を考慮して、あらかじめお湯の温度は35〜37℃と低めに設定してあるそうです。
お湯はビールじゃないけど、
ホップと酵母でつくる入浴剤
プラハ市内に2店舗を構える「Beer Spa Bernard Prague」では、ホップを粉末状にして、オリジナルの入浴剤と混ぜたものをバスタブに入れて楽しむそう。ビール気分を味わうだけでなく、このホップや酵母にこそ体にうれしいメリットがあると、長くこの地に暮らす人たちは信じてきました。たとえば、①毛穴の汚れを取り除く、②髪や皮膚の再生、③神経組織を活性化、といった具合。どうやらリラックス効果だけでもないようですね。
タップされるビールは、チェコ産ホップを用いて南ボヘミア地方の伝統製法で造られた「ベルナルドエール」。
そうそう、ちょっと酔いが回っちゃったという人のために、バスタブのある部屋のすぐ横には、クールダウンのためのベッドルームも。この辺りの至れり尽くせり感がうれしい。
専用のバスタブは、大人が二人ゆったり足を伸ばせる程度。これが浴室に2つ設置されていることから、一応の定員は4名とのこと。水着がマストではないというは、ちょっと意外でしたが、それも完全なプライベートタイムを楽しんで欲しいという施設側の意向から。
酔っ払ってハメを外すようではただの迷惑でしかありませんが、いい感じにほろ酔いを楽しめる大人のツーリストならば、プラハステイのプランに悪くないでしょ。プライスリストなど詳細はこちらからどうぞ。