曲げて、ねじって、料理に合わせて「カタチを変える」お皿です
繰り返し使っていても、ちっとも飽きがこないお皿があります。サラダをどっかと盛り付けるときは鉢のように底を深くしてみたり、アペタイザーなら平ぺったいままふちだけを少し持ち上げ変化をつける。
これ、どちらも一枚のお皿の話。こんな融通が利いてしまうのが「すずがみ」です。
どんなカタチにしよう
盛り付けを“つくる”皿
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すずがみを一度でも手にしたことがあれば、あまりの柔らかさにまず衝撃を受けることでしょう。その感触を音で表現するなら、間違いなく「ふにゃ」。
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盛り付ける料理に合わせて好きなように曲げたり、ねじったり、手のひらで自在にアレンジをつけながら変化を楽しむ錫(すず)の皿。
でも、正しくは「皿」ではなく「板」という表現が正解。なぜなら食器としての用途だけでなく、たとえばくるくると巻くように曲げていけば、ドライフラワーや枝ものを一輪挿しに見立てて生けることもできるし、四隅を折り曲げてアクセサリーケースとして使うこともできるから。その柔らかさと等しく、目的を限定しない包容力が魅力。だから、どれだけ使ったとしても飽きがこない訳です。
ところで、この柔軟さの背景には熟練した職人技があるんです。彼らが奏でる「テンテンテンテン……」、これがポイント。
何度も叩くことで生まれる
紙のような柔らかさ
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ナゼこれほどまでに錫の板が柔らかくなるのか?そこだけ簡単に紹介しますと、全国でも数えるばかりしかいない鍛金(たんきん)職人が、金槌でひたすら錫の板を叩いているから。裏も表も、丹念に叩いていくことで、曲げ伸ばしによる劣化が最小限になるんだとか。金属なのにどれだけ曲げてもカタチが元通りになる、すずがみはこうして生まれているんです。
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テンテンテンテン、光沢ある錫の板にリズム良く金槌が振るいおろされていくと、そこにきれいな鎚目(つちめ)が文様となって現れる。繊細な柄は全部で3種類、サイズは4種類。取り皿用にSサイズ(13×13cm)はもちろん、大胆なアレンジを楽しむにはLサイズ(24×24cm)を揃えておきたいところ。
料理をつくる人も、それを楽しみに待つ人も、手のひらでカタチをつくりながら好きなように盛り付ける。大人が夢中になったって、いいんじゃない?